はじめに
「最近、眠りが浅い気がする」
「夜中に何度か目が覚める」
「ちゃんと寝たはずなのに、朝から疲れている」
50代になると、こうした睡眠の変化を感じることがあります。
そこで「睡眠改善」と検索すると、寝具、食事、運動、入浴、スマホ、サプリメントなど、たくさんの情報が出てきます。
あれもこれも試そうとすると、今度はそれ自体が負担になってしまいます。
睡眠を見直すなら、まずは毎日の生活習慣から。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、生活習慣や睡眠環境を見直して、睡眠による休養感を高めることが重要とされています。
この記事では、50代の睡眠習慣を見直す入口として、特に確認したい5つをまとめます。
全部を一度に変える必要はありません。
「これならできそう」と思うところから、ひとつずつ始めてみてください。
1.朝起きる時間と、朝の光を見直す
睡眠を考えるとき、つい「夜」に目が向きます。
しかし、眠りのリズムを整えるうえでは、朝の過ごし方も大切です。
毎朝起きる時間が大きく変わったり、起きてからほとんど光を浴びない生活が続いたりすると、昼と夜のメリハリがつきにくくなることがあります。
まずは、
- 起きる時間を大きく乱さない
- 起きたらカーテンを開ける
- 朝の時間に自然な光を浴びる
- 朝食をとる
といった習慣から見直してみる方法があります。
厚生労働省の睡眠ガイドでも、規則正しい生活や朝食などによって、日中の活動と夜間の睡眠にメリハリをつけることが紹介されています。
休日くらいはゆっくり寝たい。
その気持ちもよくわかります。
だからといって、毎日の起床時間を完璧にそろえなければいけない、という話ではありません。
まずは「朝になったら一度カーテンを開ける」。
それくらいからでも十分、生活を見直すきっかけになります。
2.日中に少しでも体を動かす
50代になると、仕事や家事以外では、意外と体を動かしていないことがあります。
一日中座っている。
車で移動する。
帰宅すると、そのままソファへ。
そんな日が続けば、夜になっても体がそれほど疲れていないこともあります。
睡眠ガイドでは、適度な運動習慣が良質な睡眠の確保に役立つとされています。
ここで大切なのは、いきなり激しい運動を始める必要はないということ。
たとえば、
- 少し長めに歩く
- 階段を使う
- 軽い筋トレをする
- ストレッチをする
- 休日に自転車で出かける
など、自分が続けやすいものから考えてみます。
厚生労働省の情報でも、軽い運動から始めて習慣化し、無理のない範囲で徐々に強度を高める考え方が示されています。
「運動しなければ眠れない」と考えるより、
日中に体を使う時間を少し増やしてみる。
そのくらいの感覚でいいと思います。
3.カフェイン・お酒・夜食を見直す
毎日の習慣の中には、自分では当たり前すぎて、睡眠との関係を意識していないものがあります。
その代表が、コーヒーなどのカフェインやお酒、夜遅い時間の食事です。
カフェインは覚醒作用があり、摂取する時間や量によっては夜の睡眠に影響することがあります。
また、お酒は寝つきを助けるように感じることがありますが、睡眠の後半に影響し、中途覚醒が増えることも指摘されています。
夜食についても、就寝直前の食事は睡眠・覚醒リズムに影響する可能性があります。
だからといって、
「今日からコーヒー禁止」
「お酒は絶対に飲まない」
と極端にする必要はありません。
まずは、
「夕方以降のコーヒーを少し減らしてみる」
「寝る直前の食事を避けてみる」
「お酒を飲んだ日の眠りを少し意識してみる」
など、自分の睡眠との関係を確認してみるところから始めてもいいでしょう。
4.寝る前の時間を少し静かにする
布団に入った瞬間に眠れるとは限りません。
仕事のことを考えている。
スマホを見ている。
動画を見続けている。
明日の予定を考えている。
そんな状態から、突然「はい、睡眠です」と切り替えるのは、なかなか難しいものです。
厚生労働省の睡眠ガイドでも、就寝前にリラックスし、無理に寝ようとせず、眠気が訪れてから寝床に入ることなどが紹介されています。
寝る前にできることは、特別な方法でなくても構いません。
照明を少し落とす。
スマホから離れる時間をつくる。
ゆっくり入浴する。
本を読む。
軽くストレッチする。
何もしない時間をつくる。
大切なのは、「眠るために頑張る時間」にしないことです。
眠れないことを気にしすぎると、それだけで頭が冴えてしまいます。
「そろそろ一日を終わりにしよう」
そんな合図を体に送る時間として考えると、少し気持ちがラクになります。
5.寝室の温度・光・音・寝具を見直す
最後は、眠る場所そのものです。
生活習慣を整えていても、寝室が暑すぎたり寒すぎたり、明るかったり、音が気になったりすれば、眠りにくさを感じることがあります。
特に50代になると、以前は気にならなかった寝室の環境が、少しずつ気になるようになることもあります。
見直すポイントはシンプルです。
- 室温や湿度は自分にとって過ごしやすいか
- 外の光や照明がまぶしくないか
- 音が気になっていないか
- 枕やマットレスが体に合っているか
- 季節に合った寝具になっているか
全部を買い替える必要はありません。
まずは「今の寝室で、気になっていることは何か」を探してみる。
それだけでも十分です。
睡眠ガイドでも、睡眠環境を見直すことが睡眠休養感を高めるためのポイントとして挙げられています。
50代の睡眠改善は「全部やる」必要はない
ここまで5つ紹介しました。
もう一度まとめると、
- 朝の起床時間と光を見直す
- 日中に体を動かす
- カフェイン・お酒・夜食を見直す
- 寝る前の時間を静かにする
- 寝室の環境を見直す
です。
どれも特別な方法ではありません。
だからこそ、続けやすいともいえます。
睡眠の悩みがあると、
「もっと頑張って眠らなければ」
と思ってしまうことがあります。
でも、睡眠は努力だけで完全にコントロールできるものではありません。
昨日はよく眠れたのに、今日は何度も目が覚めた。
そんな日があっても不思議ではありません。
まずは自分の生活の中で、睡眠に影響していそうな習慣をひとつ見つけてみる。
そして、無理のない範囲で少し変えてみる。
それくらいから始めてもいいのだと思います。
睡眠改善は「眠ること」だけを考えない
睡眠を良くしようとすると、「夜、どうすれば眠れるか」ばかり考えてしまいます。
でも、実際には朝起きてからの一日全部が、夜の眠りにつながっています。
朝に光を浴びる。
昼間に体を動かす。
食事や嗜好品を見直す。
夜は少しずつ静かな時間に入る。
そして、眠る場所を整える。
睡眠改善という言葉は少し大げさに聞こえるかもしれません。
もしかすると、やることは「睡眠を改善する」というより、眠りやすい一日をつくっていくことなのかもしれません。
50代になって眠り方が少し変わってきたとしても、それは「もう仕方がない」ということではありません。
一方で、若い頃と同じ眠りを取り戻そうと焦る必要もありません。
今の自分に合った眠り方を探していく。
この「睡眠習慣」シリーズが、そのための小さなきっかけになればと思います。
眠りの悩みが続くときは
生活習慣や睡眠環境を見直しても、眠れない、眠っても休養できた感じがしない、日中の眠気が強いといった状態が続く場合には、睡眠に関する病気などが隠れている可能性もあります。
厚生労働省も、睡眠に関する症状が続き、日中の生活に影響している場合には医師への相談を勧めています。
「生活習慣を直せば必ず眠れる」と考えすぎず、必要なときには専門家に相談する。
それも睡眠習慣を整える大切な選択肢のひとつです。
まとめ
50代の睡眠改善は、特別な方法を探すことから始めなくても大丈夫です。
まずは、
朝・昼・夕方・夜・寝室。
この5つを順番に眺めてみる。
そして、自分が変えやすそうなところをひとつだけ選んでみる。
睡眠は一晩で変わるものではありません。
だからこそ、無理なく続けられる習慣を少しずつ。
昨日より少し眠りやすい一日をつくる。
その積み重ねが、50代からの睡眠習慣になっていくのだと思います。
眠れない夜が続くと、何かを変えたほうがいいのかなと思うことがあります。
「睡眠を改善しなければ」と考えるほど、かえって焦ってしまうこともあるでしょう。
そんな、眠りを良くしたいのに何から始めればいいのかわからなかった夜の気持ちに寄り添った記事も書いています。

