夕食を終えて、一息つく。
お気に入りのマグカップにコーヒーを淹れる。
湯気を眺めながら過ごす、その時間が好きだった。
一日の終わりに、
「お疲れさま。」
そう言われているような気がした。
だから、夜にコーヒーを飲むことを特別気にしたことはなかった。
若い頃は、それでも普通に眠れていた。
だから、
「コーヒーくらいで眠れなくなるわけがない。」
そう思っていた。
でも50代になってからは少し違った。
布団に入っても眠気が来ない日がある。
やっと眠れても、夜中に何度か目が覚める日もある。
そのたびに、
「今日のコーヒーが悪かったのかな。」
そんなことを考えるようになった。
もちろん、それだけが理由ではない。
仕事のこと。
これからの暮らしのこと。
体の変化。
考え始めれば、眠れない理由はいくつもある。
だから、本当はコーヒーだけの問題ではないのだと思う。
それでも最近は、夜になると少しだけ選び方を変えるようになった。
カフェインレスを選ぶ日もある。
ハーブティーを飲む日もある。
何も飲まずに、お湯だけの日もある。
どれが正解なのかはわからない。
でも、
「眠るために我慢する」
ではなく、
「今日はこっちにしてみようかな」
くらいの気持ちで選ぶほうが、自分には合っている気がしている。
コーヒーは悪者ではない。
好きなものを無理にやめると、それだけで窮屈になってしまう。
だから少しだけ距離を変える。
それくらいで十分なのかもしれない。
夜の静かな時間に飲む一杯には、味だけではなく、安心する時間も詰まっている。
だから、その時間まで失くしたいとは思わない。
眠れない夜があってもいい。
コーヒーを飲む夜があってもいい。
少しずつ、自分に合う過ごし方を見つけていけばいい。
50代になって思う。
暮らしは、「やめること」を増やすより、「心地よく続けられること」を見つけるほうが、少し楽になる。
夜の一杯も。
眠れない夜も。
どちらも今の自分の暮らしの一部なのだと思う。
夜のコーヒーとの付き合い方について、もう少し詳しく知りたい方へ。
カフェインと睡眠の関係や、50代が無理なく取り入れられる工夫について整理した記事も書いています。
▶ 夕方以降のカフェインは影響する?50代が知っておきたい睡眠との関係
