住む場所を考えるとき、まず気になるのは家賃や生活費です。
若いころなら、駅から遠くても、部屋が狭くても、「安ければいい」と考えていたかもしれません。駅から20分歩く部屋でも、仕事に行く体力がありました。買い物袋を両手に提げて帰ることも、翌日にはそれほど気にならなかったものです。
でも、50代になると、少し考え方が変わってきます。
仕事から帰ったあとに買い物へ行き、重い荷物を持って坂道を上る。そんな日が続くと、以前より疲れが残るようになりました。
家賃を抑えることは大切です。
ただ、これからは金額だけでなく、そこで無理なく暮らし続けられるかどうかも考えたい。そんな気持ちが強くなりました。
家賃の差は、暮らし全体で考えたい
家賃が今より2万円安くなれば、年間では大きな節約になります。
その金額を見ると、「少し遠い場所でも、安い部屋に移ったほうがいい」と思うかもしれません。
けれど、駅やスーパー、病院が遠ければ、移動のたびにバスや車が必要になることがあります。家賃が下がっても、交通費や移動時間が増えれば、実際に得られる節約は小さくなるかもしれません。
たとえば、駅から離れた場所では、通勤や外出のたびにバスを使うことになります。車を利用するなら、ガソリン代や駐車場代も必要です。数字の上では家賃が安くても、暮らし全体で見ると負担が増える場合があります。
だから、部屋を選ぶときは家賃だけでなく、交通費や周辺の環境も含めて考えたいと思います。
毎日の負担は、少しずつ積み重なる
家賃を抑えるために、駅から20分歩く部屋を選ぶこともできます。
若いころなら、その距離を歩くこと自体は大きな問題ではありませんでした。しかし、仕事で疲れた日の帰宅や、重い荷物を持った日の移動となると、同じ距離でも感じ方が変わります。
休日に買い物へ出かけただけで疲れ、帰宅してから何もする気になれない。そんな日が増えれば、住まいの不便さは生活の質にも影響します。
今は歩ける距離でも、数年後には負担になる可能性があります。体力や働き方が変わったときにも、その場所で暮らし続けられるのか。50代では、少し先の自分を想像することも必要だと思います。
便利さにお金を払うという考え方
以前は、生活費をできるだけ減らすことが安心につながると思っていました。
家賃が安くなれば、その分を貯金に回せます。支出が少なければ、将来への不安も小さくなるように感じます。
でも、お金は減らさないためだけでなく、暮らしを支えるためにも使えます。
駅やスーパーが近ければ、仕事帰りに買い物を済ませても、長い距離を歩かずに帰れます。病院が近ければ、体調がすぐれない日でも受診しやすくなります。こうした便利さは、単なるぜいたくではなく、毎日の負担を減らすための支出とも考えられます。
もちろん、便利な場所ほど家賃は高くなります。
だからこそ、すべてを便利にする必要はありません。自分にとって欠かせない条件を見極め、そこにはお金をかける。その代わり、必要のない部分は抑える。そんな選び方があってもいいと思います。
これからは、どんな暮らしをしたいか
住む場所を考えると、「いくらなら払えるか」ばかりに目が向きます。
もちろん、無理な家賃を払うことはできません。収入や貯蓄とのバランスを考えることは大切です。
そのうえで、「どこなら安く住めるか」だけでなく、「どこなら自分らしく暮らせるか」も考えたいと思います。
朝、駅まで急いで歩かなくてもいい。
仕事帰りに買い物をしても、帰宅までの道のりが長すぎない。
休日に用事を済ませたあとも、家でゆっくり過ごせる。
そんな日々を送れるなら、家賃が少し高くても、その差額には意味があるのかもしれません。
50代になった今、住む場所は家賃の安さだけでなく、これからの生活を無理なく続けられるかどうかで選びたいと思います。
「安い場所」を探すだけではなく、「これからの自分が無理なく暮らせる場所」を探す。
住む場所を考えることは、これからの人生で何を大切にしたいのかを考えることなのかもしれません。
「安ければいい」だけでは、これからの住む場所を決められない。
そう感じるようになった理由の一つは、家賃だけではなく、その街で暮らすために必要なお金まで考えるようになったからです。
家賃、交通費、車、買い物など、生活費から住む場所を考えるポイントを整理した記事もあります。
