はじめに
「仕事は嫌いではないけれど、仕事ばかりの毎日は少し疲れた」
50代になると、そんなふうに感じることがあります。
若い頃は、仕事を中心に生活することが、それほど苦にならなかったかもしれません。
残業をする。
休日に仕事のことを考える。
仕事のために予定を変更する。
多少無理をしてでも、目の前の仕事を終わらせる。
それが当たり前だった時期もあります。
仕事を覚えることや、会社で役割を持つことに一生懸命だったからです。
しかし50代になると、少しずつ考え方が変わってくることがあります。
「この先も、今と同じように仕事を中心にしていていいのだろうか」
そんな疑問が出てくることもあります。
仕事を辞めたいわけではない。
収入も必要です。
できれば今の仕事を続けたい。
それでも、仕事だけで一日が終わってしまう生活には、少し違和感がある。
そんな時は、仕事を辞めるか続けるかを決める前に、「仕事との距離感」を見直してみる方法があります。
今回は、50代になって仕事との距離感を変えたいと感じた時に、考えておきたい5つのポイントを整理します。
① 仕事中心の生活を見直す
50代になると、仕事そのものよりも、「仕事が生活のどのくらいを占めているか」が気になることがあります。
例えば、
- 朝から夜まで仕事のことを考えている
- 休日も仕事の疲れを取るだけで終わる
- 趣味や楽しみを後回しにしている
- 家に帰っても仕事のことが頭から離れない
- 仕事以外の予定を入れる余裕がない
- 休みの日に何をすればいいのか分からない
このような状態が続いているなら、一度生活全体を見直してみてもいいかもしれません。
もちろん、忙しい時期があるのは自然なことです。
すぐに働き方を変えられない場合もあります。
大切なのは、
「仕事を減らさなければならない」
と決めつけることではありません。
まず、
「今の生活は、仕事にどのくらい時間と気持ちを使っているのだろう」
と確認してみることです。
一日の時間を書き出してみるだけでも、自分の生活が見えやすくなります。
仕事、通勤、睡眠、家事、食事、自由時間。
それぞれにどのくらい時間を使っているのかを簡単に整理してみます。
すると、
「思っていた以上に仕事に時間を使っている」
「自由に使える時間がほとんどない」
と気づくことがあります。
50代は、これまで仕事を優先してきた生活を一度見直してみる時期なのかもしれません。
② プライベートとのバランスを取り戻す
仕事との距離感を変えるといっても、いきなり仕事を大きく減らす必要はありません。
まずは、仕事以外の時間を少し取り戻してみます。
例えば、
- 帰宅後は仕事のことを考えない時間を作る
- 休日に仕事を入れない時間を確保する
- 平日に短い自由時間を作る
- 趣味の時間を予定として入れてみる
- 散歩や運動の時間を作る
- 仕事とは関係のない人と話す
- 一人でゆっくり過ごす時間を持つ
などです。
ポイントは、「時間が余ったら趣味をする」と考えないことです。
時間は、放っておくと仕事や家事などで埋まってしまいます。
そのため、
「毎週この時間は自分のために使う」
と先に決めておく方法があります。
例えば、平日の夜に30分だけ好きなことをする。
休日の午前中は仕事を考えずに過ごす。
月に一度、少し遠くまで出かける。
それだけでも構いません。
大きな趣味を始める必要もありません。
音楽を聴く。
映画を見る。
散歩する。
自転車に乗る。
筋トレをする。
本を読む。
何もしない。
そんな時間でも十分です。
50代からは、仕事以外の時間を「余った時間」と考えず、自分の生活の一部として考えてみることが、仕事との距離感を調整するきっかけになることがあります。
③ 心に余裕を作る働き方を考える
仕事との距離感を考える時、時間だけではなく「気持ちの距離」も大切です。
例えば、仕事で何か失敗すると、
「もっと頑張らなければ」
「自分が何とかしなければ」
と考えてしまうことがあります。
長く働いてきた人ほど、責任感が強くなっていることもあります。
しかし、すべての仕事を自分一人で背負う必要があるとは限りません。
できることと、できないことを分けてみる。
今日やることと、明日でもいいことを分ける。
自分が担当することと、他の人に任せられることを分ける。
それだけでも、仕事に対する気持ちが少し変わることがあります。
また、
「仕事で評価されること=自分の価値」
と考えすぎないことも、一つの方法です。
仕事がうまくいかない日があっても、それだけで自分の人生全体が否定されたわけではありません。
逆に、仕事で評価されたとしても、それだけが人生のすべてというわけでもありません。
50代になると、これまで積み重ねてきた経験があります。
だからこそ、
「仕事ではできる範囲で責任を果たす」
「仕事以外の時間も大切にする」
という考え方に少しずつ変えていくこともできます。
仕事に全力を注ぐことだけが、働くということではありません。
長く働くために、あえて余白を作る。
そんな考え方もあります。
④ 仕事の「やりすぎ」を整理する
仕事との距離感を変えたいと思ったら、普段の働き方の中で「やりすぎていること」がないか確認してみます。
例えば、
- 必要以上に残業している
- 頼まれると断れない
- 自分でなくてもできる仕事まで抱えている
- 休日も仕事のことを考えている
- 仕事の連絡を常に気にしている
- 完璧にやろうとしてしまう
- 周囲の評価を気にしすぎている
などです。
もちろん、仕事の内容や職場環境によって事情は違います。
すべてを減らせるわけではありません。
それでも、
「これは本当に自分がやらなければならないことなのか」
と一度考えてみるだけでも違います。
50代になると、仕事の経験が増えているからこそ、効率よくできることもあります。
以前なら一から十まで頑張っていた仕事を、
「ここまでやれば十分」
と区切ることもできます。
何でも頑張るのではなく、力を使うところを選ぶ。
それも、これから長く働くための働き方の一つです。
仕事のすべてに同じだけの力を使う必要はありません。
大切な仕事にはしっかり取り組む。
一方で、必要以上に抱え込まない。
そんなメリハリを少しずつ作っていくこともできます。
⑤ 「仕事を辞める」以外の選択肢を考える
仕事との距離感を変えたいと思った時、
「転職するべきか」
「会社を辞めるべきか」
と考えてしまうことがあります。
しかし、働き方を変える方法は、それだけではありません。
例えば、
- 残業を減らせないか相談する
- 業務量について相談する
- 担当業務を見直す
- 勤務時間について会社の制度を確認する
- 有給休暇をきちんと使う
- 定年後の勤務制度を調べておく
- 今の会社で続けやすい働き方を考える
などがあります。
職場によってできることは違います。
だからこそ、いきなり大きな決断をする前に、
「今の会社で、少しだけ働き方を変えられないか」
を確認してみるのも一つです。
仕事を辞めるか続けるかという二択ではなく、
「今の仕事との関わり方をどう調整するか」
と考えると、見える選択肢が増えることがあります。
そして、もう一つ考えておきたいのが、仕事以外の自分です。
これまで長く働いてきた人ほど、
「自分は何の仕事をしている人なのか」
ということが、自分自身の大きな部分を占めているかもしれません。
しかし、定年後を考えれば、いつかその肩書きは変わります。
だからこそ50代から、
「仕事以外の自分」
を少しずつ増やしておくこともできます。
趣味でもいい。
運動でもいい。
旅行でもいい。
家で過ごす時間でもいい。
新しいことを始めてもいい。
何か特別な実績を作る必要はありません。
「仕事がない時間も、それなりに楽しい」
と思えるものが少しずつ増えていけば十分です。
仕事だけに自分の価値を置かないようにすることは、これからの生活を考えるうえでも一つの準備になります。
まとめ
50代になると、
「このまま仕事中心の生活を続けていていいのだろうか」
と感じることがあります。
そんな時は、すぐに仕事を辞めることを考えるのではなく、まず仕事との距離感を見直してみます。
①仕事中心の生活を見直す。
②プライベートとのバランスを取り戻す。
③心に余裕を作る働き方を考える。
④仕事の「やりすぎ」を整理する。
⑤「仕事を辞める」以外の選択肢を考える。
全部を一度に変える必要はありません。
まずは、休日に仕事のことを考えない時間を作ってみる。
仕事以外の予定を一つ入れてみる。
抱えている仕事を書き出してみる。
「これは自分がやらなくてもいいかもしれない」と思う仕事を整理してみる。
そんな小さなところからでも十分です。
50代からの働き方は、若い頃と同じように仕事だけを中心にする必要はないのかもしれません。
仕事を大切にしながら、自分の時間も大切にする。
頑張るところと、力を抜くところを分ける。
長く働くために、少し余白を作る。
そんな働き方もあります。
「仕事との距離感を変えたい」と思ったことは、仕事を辞めたいという意味だけではありません。
もしかすると、
「これからは仕事以外の時間も、もう少し大切にしたい」
という気持ちなのかもしれません。
50代は、これまでの働き方をそのまま続けるだけではなく、自分に合った働き方へ少しずつ調整していく時期。
そう考えてみると、これからの仕事との付き合い方も、少し違って見えてくるのではないでしょうか。
仕事との距離感を少し変えたいと思っても、「今さらそんなことを考えていいのだろうか」と迷うことがあります。
これまで仕事を優先してきたからこそ、仕事を少し離れて自分の時間を持つことに、戸惑いや罪悪感を感じることもあるかもしれません。
「仕事だけが自分の生活ではない」と思いながらも、これからどう働いていけばいいのか分からない。
そんな50代の気持ちに少し目を向けてみる。
同じように、仕事との距離感やこれからの働き方について考え始めた方に読んでほしい、50代の働き方についての共感記事です。

