🌤 列車トラブルから始まった旅
最寄駅から列車に飛び乗り、熱海を目指した。
小田原を過ぎたあたりで突然アナウンスが流れる。
「異音を感じたため、急停車します」
直後、列車がゆっくりと止まり――ガタンッ。軽い衝撃とともに静まり返る車内。
原因は「置き石」だったという。
人為的なものなら、なんとも悪質だ。
たまの小旅行で遭遇したこの出来事、運がいいのか悪いのか……それでも、印象に残る旅になりそうだと思った。
車内には、思いがけず静けさが訪れていた。
誰も声を上げず、ただ窓の外を見つめる人たち。
見知らぬ者同士でも、同じ時間を共有しているという奇妙な一体感があった。
こうした“予定外”の出来事の中でこそ、人の表情が見える。
そんなことをぼんやり考えながら、再び動き出した列車の音を聞いていた。
🌊 海が見える瞬間
根府川を過ぎるころ、車窓の向こうに海が見え始めた。
写真を撮ろうと何度か挑戦したが、揺れる車内とタイミングの悪さで、うまくいかない。
あきらめて、ただ車窓を眺める。
波の光がチラチラと反射して、秋の陽射しがやけに柔らかかった。
窓越しに見える海は、どこか遠い昔の記憶を呼び起こすようだった。
学生時代に見た夏の海、仕事帰りに立ち寄った夕暮れの浜辺。
どれも違う季節の光景なのに、心の奥ではひとつにつながっていた。
スマホ越しではなく、自分の目で見ること。
それが旅の本当の贅沢なのかもしれない。
そう思うと、撮れなかった一枚さえ、心に残る風景になった。
🏞 三島スカイウォークと温泉へ
熱海でSuicaが使えず一度改札を出て紙の切符を購入。
こういう時、やっぱりICカード万能ではないと実感する。
三島に着き、スカイウォーク行きのバスを探すが――本数が少ない。
1時間に1〜2本。
発車したばかりで、次は1時間後。
潔く予定を変更して、観光案内で教えてもらった日帰り温泉へ。
30分ほど歩いてようやく到着。
露天風呂に浸かると、旅の疲れも吹き飛ぶ。
湯気の向こうに広がる青空が、なんとも気持ちよかった。
湯船に身を沈めると、肩から力が抜けていくのが分かる。
湯の温度、風の匂い、木々の揺れ――そのすべてが穏やかに心をほどいていく。
旅の目的が“絶景”から“休息”に変わった瞬間だった。
何かを見に行くことよりも、自分の心を休ませる時間のほうが、今の自分には必要なのかもしれない。
そう気づいた時、旅がようやく“自分のもの”になった気がした。
🍵 熱海の夕暮れと、ささやかな教訓
再び三島駅へ戻る道のりは、不思議と行きより短く感じた。
駅前でうなぎパイを土産に買い、再び熱海へ。
夕暮れ時の熱海。
海のそばで見つけた海鮮丼の店に入ろうとしたが、
財布の中には現金がない。
カードが使えず、結局何も食べずに駅へ戻った。
今日の教訓。
- バスの時刻は事前に確認する。
- 現金の残高を確認する。
- カード使用の可否も確認する。
空腹のまま歩く帰り道、潮風がやけに冷たかった。
それでも不思議と、後悔より笑いがこみ上げた。
「まあ、こういう日もあるか」――そう思えたのは、温泉でほどけた心がまだ温かかったからだろう。
旅に“完璧”はない。
むしろ小さな失敗があってこそ、次の旅が少しだけ上手くなる。
そんな優しい失敗の夜だった。
🪶 まとめ
思い通りにいかないことも、旅の一部。
トラブルや予定変更さえ、あとになれば“思い出の伏線”になる。
そんなことを感じた三島と熱海の一日だった。
計画通りにいかなくても、人はちゃんと前に進める。
むしろ、想定外の出来事の中でこそ、自分の弱さや柔らかさに気づくのかもしれない。
温泉の湯気、夕暮れの街、うまく撮れなかった海。
どれも完璧じゃないけれど、すべてがこの旅の証。
そして明日もまた、どこかへ行きたくなる。
そんな小さな衝動を胸に、夜の車窓を眺めながら家路についた。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
⌛次の記事は今、静かに仕上げているところです。
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※この記事の本文は筆者が執筆した実体験・感想をもとにしており、読みやすさ・構成の整理のため、AIによる文章補助を一部使用しています。
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