はじめに
鎌倉から多摩川大橋まで──
クロスバイクでおよそ35km、所要時間は2時間半あまり。
この距離は、速い人なら軽い朝練。けれど、50代の身体にはそれなりの“旅”になります。
坂がある。渋滞がある。
ペダルを踏みながら、何度も「引き返そうかな」と思う瞬間もある。
それでも、ハンドルを握る手の感触が、日常の疲れを少しずつ削り落としていく。
鎌倉の古い街並みを抜け、鎌倉街道を北上し、
上大岡の車の流れをすり抜け、横浜を越えて──
最後に見えてくる多摩川の広い空。
道中は、決して観光ルートでも、映え狙いでもない。
むしろ“現実の坂と信号”だらけのサイクリング。
けれど、そんなリアルな道のりにこそ、
「まだ走れる自分」を確かめる時間がある。
今回の記事では、50代サイクリストが実際に走ったリアルなルートと、
その途中で感じた風と心の変化を記録しました。
地図や時間、そして“ちょっとした心の景色”まで含めて、
あなたの次の週末ライドの参考になればうれしく思います。
勢い余ってかなりの長文になってしまいましたが、飽きずに読み進めていただければ幸いです。
🗺 サイクリング概要
- 出発地:神奈川県鎌倉市
- 目的地:多摩川大橋
- 片道距離:約35km
- 獲得標高:157m
- 所要時間:約2時間40分(コンビニ立ちより含む)
- 天気:晴れ/曇り
鎌倉→多摩川ルートの特徴とポイント
| 区間 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 鎌倉駅〜公田交差点 | いきなり登坂あり | 序盤の体力配分に注意 |
| 鎌倉街道〜上大岡 | 都市部の交通量多め | 車線変更時は慎重に |
| 国道1号線 | フラットで走りやすい | 一部1車線区間あり |
🏁 鎌倉駅から最初の急坂へ
スタートは鎌倉駅です。
まだ朝の空気が少しひんやりとしていて、ペダルを踏むたびに街のざわめきが遠のいていきます。
鶴岡八幡宮の丁字路を左折し、道なりに進むと、わずか10分ほどで最初の急坂が現れます。
いきなり息が上がり、脚が重くなります。
でも――この坂を登りきった瞬間、身体の奥から「今日も走れる」という確信が湧いてきます。
その達成感こそが、この旅の始まりの合図です。
坂を下ると、建長寺の瓦屋根がちらりと見えます。
古都・鎌倉らしい静かな風景が、やがて住宅街のざわめきへと変わっていく。
それはまるで、“非日常から現実へ”と戻っていくような時間でした。
🚴♂️ 公田交差点〜鎌倉街道のロングストレート
鎌倉女子大学の丁字路を右折すると、空が一気に広がります。
車の流れが早くなり、道路は片側2車線。
そのスピード感に少し戸惑いながらも、風を切る感覚が心地よくなっていきます。
5分ほどで公田交差点に到着。ここを左折して鎌倉街道へ。
その先には、長く緩やかな坂が待っています。
勾配はきつくないけれど、距離がある。
焦らず、呼吸を整えながら、ペダルを踏むリズムを信じて進みます。
やがて坂を登りきると、道は一気にフラットになります。
視界が開け、風の音だけが耳に残る。
その瞬間、少しだけ自分を誇らしく思いました。
🚦 上大岡〜横浜エリア:交通量多めの注意区間
上大岡に近づくにつれ、街の喧騒が戻ってきます。
バスやトラックのエンジン音、信号待ちの車列。
都会の空気の中に、ほんの少し緊張が走ります。
とくにバス停付近では減速が大事です。
無理に抜かず、流れに身を委ねながら進みます。
それでも、ペダルを踏むたびに「前へ進んでいる」実感があれば、それで十分だと思えてきます。
「通り町一丁目交差点」を左折。
この先には3つ目の坂道が待っています。
登って、下って、また登る――人生みたいだな、とふと思いました。
坂を下ると国道1号線に合流。
線路沿いを横浜方面へ進み、やがて横浜駅西口にたどり着きます。
人と車の多さに少し圧倒されつつも、ここまで来たことに少し誇りを感じました。
🛣️ 国道1号線──快走できる後半ルート
ここからは、まっすぐな道をひたすら進みます。
片側2車線の広い国道。信号のテンポも安定していて、リズムよく走れます。
坂道はもうほとんどなく、脚も心も軽く感じます。
途中、Y字交差点(青木通り)を左に進み、再び国道1号線(青木橋)に戻ります。
ときどき1車線に狭まる場所もありますが、そこも流れに逆らわず。
淡々と、けれど確実に前へ。
1時間ほど走ると、視界の先に多摩川大橋が見えてきます。
その瞬間、胸の奥がふっと軽くなる。
長かった都市の風景の先に、空と川が広がっていました。
🌿 多摩川大橋〜多摩川交流センターで小休止

疲労と達成感、そして次の目的地への静かな期待。
自転車の影が午後の日差しに伸びていた。

パンとジュースの簡単な補給でも、不思議と満たされる。

遠くに見えるビル群が、旅の終わりを穏やかに彩る。

ここを渡れば、また新しい景色が待っている。

この瞬間、心の中にもうひとつの“スタートライン”が生まれる。

風と空と街、そのすべてが混ざり合う場所。

旅は終わらず、形を変えて続いていく。

「今日も走ってよかった」と思える瞬間。

静けさの中に、確かに“生きている”時間があった。
多摩川大橋を渡ると、左手に多摩川サイクリングロードの入口が見えます。
そのすぐ近くにある「多摩川交流センター」は、まさに小さなオアシスのような場所です。
中にはテーブルと椅子、外にはベンチ。
サイクリストが休息を取るにはちょうどいい。
途中のコンビニで買ったパンとジュースをベンチに置き、
ただ風の音と川の流れを感じながらひと息つきます。
ジョギングする人、犬を連れて散歩する人、
それぞれの時間がゆっくりと流れていました。
気づけば、自分の呼吸も少しずつ穏やかになっていきます。
2時間40分のライドの終点。
でも、終わったというより、「まだ続いている」ような気がしました。
走ることは、きっと“生きること”と少し似ているのかもしれません。
🧭 まとめ
鎌倉から多摩川大橋までの約35km。
坂を三つ越え、街の喧騒を抜け、
そして最後に出会ったのは、風の匂いと静かな川の音でした。
このルートは、景色の派手さこそない。
けれど、走り切ったあとに残るのは、
「今日を自分の足で動かした」という確かな実感。
50代になると、仕事も生活も、気づけば“守り”が多くなる。
だけど、自転車に乗っている時間だけは、
体も心も前に進むしかない。
その単純さが、何よりも救いになります。
坂を登る瞬間は苦しい。
信号待ちでは焦りもある。
それでも、前へ進む限り、風は必ず背中を押してくれます。
そして、多摩川のベンチで飲むジュースの一口が、
どんな高級ディナーよりも美味しく感じられる。
それだけで、この旅は十分すぎるほど報われます。
🔸 小さな出口(今日の一歩)
- 坂を見たら、ため息の代わりに深呼吸をひとつ。
- 疲れたら、コンビニでパンとコーヒー。それで十分。
- ゴールに着いたら、風を感じながら空を見上げる。
- 「また来よう」と思えたら、それが次のスタート。
🌤️ 一言メッセージ
今日を走り切ったあなたへ。
ペダルを踏む速さより、
止まらなかったことがいちばんの力です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
※この記事の本文は筆者が執筆した実体験・感想をもとにしており、読みやすさ・構成の整理のため、AIによる文章補助を一部使用しています。
内容に関する最終的な責任は筆者にありますが、文脈や表現の一部にAI由来の再構成が含まれる可能性があることをご了承ください。

