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💭 出勤前の5分で、心が少しだけ動いた朝

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出勤前の静かな朝、白シャツ姿の男性がコーヒーを前に窓辺で思索している。 淡い朝の光が室内を照らし、静けさと小さな希望が同居する瞬間を描いた。 50代おっさんの悩みと小さな出口
出勤前の静かな朝、白シャツ姿の男性がコーヒーを前に窓辺で思索している。 淡い朝の光が室内を照らし、静けさと小さな希望が同居する瞬間を描いた。
仕事に行きたくない朝でも、ほんの5分だけ心を休める時間を持つ。 その静けさの中で、少しだけ前に進む力が生まれる――。

まだ痛みの中で、それでも

50代になってから、朝がどんどん重くなった。
体も心も、まるで鉛を詰められたように動かない。
あの「仕事に行きたくない朝」は、いまだに忘れられない。

布団の中で涙を流しながら、
「もう無理だ」「壊れる」と思ったあの日。
あの絶望の感覚は、今でも心の奥に残っている。

だけど最近、少しだけ変わってきた。
朝の苦しさが消えたわけじゃない。
ただ、ほんの少しだけ――
「それでも行くか」と思える日が増えた。


同じ朝なのに、少し違って見えた日

ある朝、また目覚ましの音で目が覚めた。
体は重い。頭もぼんやり。
「行きたくない」という言葉が、口の中に張り付いて離れない。

前なら、そのまま布団の中で何十分も動けなかった。
でも、その日は、なぜか“ほんの少しだけ”動けた。

理由は分からない。
たぶん、疲れ切った心が、
「もう抗うのも疲れた」と静かに折れたからだろう。

それが“開き直り”というやつかもしれない。
でも、思っていたほど悪くなかった。


5分だけ、自分を止める時間を作った

起きてすぐに出勤準備をしようとすると、
心がついてこない。

だからぼくは最近、出勤前に5分だけ何もしない時間を作っている。
コーヒーを淹れて、湯気をぼんやり見つめる。
音も会話もいらない。

あの頃は「早く動け」と自分を責めていた。
でも今は、「まだ動けない自分」をそのまま許している。

「行きたくない」と思ってもいい。
「今日はしんどい」と呟いてもいい。

そうつぶやくだけで、少し呼吸がしやすくなる。


「開き直る」というより、「力を抜く」

正直、開き直りなんて、最初は“逃げ”のように感じていた。
でも今は違う。

これは、心が壊れないための生存の知恵だ。
誰かに理解されなくても、自分だけは守ってやらなきゃいけない。

頑張らない。
でも、完全に投げ出すわけでもない。
その中間にある“ゆるい場所”に、自分を置く。

冷たい現実の中にも、ほんの少しだけあたたかい空気が流れている。
そこに気づけるだけで、少しだけ朝が変わる。


玄関のドアの前で、ひと呼吸おく

靴を履いて、ドアノブに手をかける。
その瞬間、あの昔の重さが一気に戻ってくる。
「また同じ一日が始まるのか」
心が軋む。

でも、そのまま立ち尽くす時間を許している自分がいる。
焦らない。
泣かない。
ただ、少し呼吸を整えて、ドアを開ける。

「行きたくないけど、行く。」

その言葉の中に、以前より少しだけ強さがある。
無理やりじゃなく、淡々とした力。
それが今のぼくの“精一杯”だ。


朝焼けが少しだけ優しく見えた

外に出ると、空が淡いオレンジに染まっていた。
あの日と同じ街。
同じ時間。
でも、少しだけ違って見えた。

あの頃は、景色なんて目に入らなかった。
今は、息を吸って吐くだけで「まだ生きてる」と思える。
それだけで、少し救われる。

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結び|痛みの中に、かすかな光がある

「仕事に行きたくない朝」は、いまだにある。
消えたわけじゃない。
ただ、以前より“自分を責める時間”が減った。

完璧に前を向かなくてもいい。
それでも今日を始められたなら、それだけで十分だ。

開き直りは、諦めじゃない。
ただ、生き延びるための小さな技術だと思う。

あの日、涙をこらえて布団の中で震えていた自分へ。

「お前はまだ苦しいだろう。でも、その苦しさの中にも、ちゃんと希望は残ってる。」

今も、出勤前の5分は変わらず静かだ。
でも、心のどこかが少しだけ動いている。
それが今の、ぼくの“生きる速度”だ。


☕️ ―おわりに―
この文章は「仕事に行きたくない朝」への“続きの記録”です。
まだ完全には抜け出せていません。
でも、立ち止まってもいい。
その5分が、心を少しだけ前へ動かしてくれるなら。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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